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ガイド · 2026年9月19日

免税事業者からの仕入れ、10月から控除は8割から7割へ — 経過措置見直しと帳簿の備え

令和8年度税制改正でインボイスの経過措置が2年延長され、控除割合は70%→50%→30%と緩やかに下がります。電子帳簿保存法とあわせて、システム側で何を整えるべきかを整理します。

インボイス制度が始まって三年目の節目が近づいています。免税事業者などインボイス発行事業者以外の方からの 仕入れについて、これまで認められてきた80%の仕入税額控除は令和8年9月30日で区切りを迎えます。 ただし当初予定されていた「いきなり50%」ではなく、令和8年度税制改正で引下げのペースが緩和されました。 経理の現場にとっては、率の変更そのものよりも「取引ごとに正しい率を当てられるか」が実務上の論点になります。

何が、いつ変わるのか

国税庁の令和8年度税制改正特集によれば、免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置は最終的な適用期限が 2年延長され、控除割合は次のように推移します。

あわせて上限も見直されました。一のインボイス発行事業者以外の方からの課税仕入れの合計額(税込み)が、 その年または事業年度で1億円を超える場合、超えた部分についてはこの経過措置を適用できません。 改正前は10億円でしたので、対象となる事業者の範囲は実質的に広がります。

詳細は国税庁「令和8年度税制改正特集」 および財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」をご確認ください。

小規模事業者への影響と例外

いわゆる2割特例(インボイス発行事業者となった小規模事業者の負担軽減措置)は、令和8年9月30日が属する 課税期間をもって終了します。その後の受け皿として、個人事業者については納税額を売上税額の3割とすることが できる措置が、令和9年分・令和10年分の消費税申告に限って設けられました。法人については同様の措置が 置かれていない点にご注意ください。

一方、記録・保存の側では電子帳簿保存法の電子取引データ保存が引き続き土台になります。メールやWebで 授受した請求書・領収書は、紙に出力して保存するのではなく電子データのまま保存する必要があります。 相当の理由があると税務署長に認められる場合の猶予措置は残っていますが、データそのものを保存しなくてよい という意味ではありません。また、基準期間の売上高が一定額以下の事業者などについては検索要件が不要とされる 緩和もあります。制度の全体像は国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」が 一次情報として最も確実です。

会計・在庫システムに求められる機能

率が段階的に動くということは、仕入計上日によって適用率が変わるということです。手作業で切り替える運用は、 期をまたぐ請求書や返品・値引きが出た瞬間に破綻します。次の五点を、9月中に確認しておくことをお勧めします。

実務の進め方

1. 今月中:仕入先を登録番号の有無で棚卸しし、未登録先の年間取引額を洗い出す。1億円の上限に近い 取引先があるかを先に把握します。 2. 10月の最初の締めで:10月1日以降の伝票が70%で計算されているか、9月末の伝票が80%のままかを 実データで確認する。ここで一度見ておけば、期末の手戻りはほぼ防げます。 3. 年内:電子取引データの保存先を一本化し、検索できる状態にする。フォルダに散らばったPDFは、 調査の場面で最も時間を取られる部分です。 4. 来期の予算に:令和10年10月の50%への移行を見込み、未登録先との取引条件を見直すか、 登録を相談するかの方針を決めておきます。

本記事は実務上の整理であり、税務・法務に関する助言ではありません。個別の判断については、税理士または 所轄の税務署にご確認ください。

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